2004/01/26作成 HOME
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■さなぎへの準備■



終令のかわいい姿ともそろそろお別れ。
さあ、さなぎへの準備です!


水出し

大きな緑の幼虫があなたの虫かごの中にいますね?
連れ帰った時の何倍の大きさでしょう?
自家用車がジャンボジェット機になったくらいの変化。
これは自分に置き換えて考えてみると凄い事です。
さて…今朝から何も食べてない子がいませんか?
しばらくすると水分タップリのうんちをして
最後のへんは未消化の(噛んだ歯の形までわかる)葉を出します。
具合が悪くなった訳ではないので安心してください。
体を軽くして、いよいよさなぎへの準備です。


さなぎになる場所を探して

必死で走り回ってますね。
さなぎになるのに良い場所を、一生懸命探しているんです。
明るいとなかなか集中できないようです。
虫かごをタオルなどで覆って少し暗めにしてあげましょう。
水出しを始めた時、私達が準備をしなくてはならない事は、これからさなぎになる彼らが羽化した時に安心して羽を広げられる、つかまり心地のよい枝を用意することです。

枝は60〜70度角ぐらいの傾斜に設定して
長めのものを5本くらい用意してあげてください。
この枝(棒)はこれからも飼い続ける方は
代々ずっと使っていく事ができます。
食草の枝でなくても大丈夫です。
太目のしっかりしたものを選んであげよう。
(一般にさなぎになる場所には
安全性から高い場所を選ぶようです。)

動き回るのをやめて、
一箇所にぴったりと止まって動かなくなりましたね?
そこで、さなぎになる事に決めたという事です。
観察しているとその位置で頭を下にして
(逆さまになって)
糸を吐き出しはじめます。
さなぎの足場を作り始めているのです。


大きな写真はコチラ
カラスアゲハの終令幼虫が
さなぎになる場所を決定 (写真はほぼ原寸大)
家の壁にて


足場をかためて首に糸をかける

場所が決まったようですね。
頭を下にして、さなぎのおしりを固定させる場所に
糸をたくさん吐き出して足場を作り始めます。
3時間くらいはこのまま作り続けます。

おや?
ふと気付くと頭が上になってる。
幼虫の足元を見てください。
さっき糸を吐いてかためて作っていた小さな綿状の土台の上に綺麗に一番後ろの足をのせてるでしょう?
今度は自分の首にかける糸を作っているんです。
何度も何度も くちゃくちゃカミカミして糸を作っていますね。
首にくるりと糸をかけて、準備完了。
ちょっと縦向きの自家製ハンモック、といったところでしょうか

たいてい、彼らは夜中から朝にかけて
この大掛かりな仕事を完了させます。
お疲れ様でした!


幼虫の作った、テグスのような糸が上手に背中にかかっているのです
足場にもきちんと糸を吐いてあります。
両手をちょこんとあわせて、無事に羽化できるよう
おいのりしているかのような愛らしい姿です。

↓余談ですが↓

ひっかかりのないガラス面で
さなぎになろうとしている幼虫がいるかも知れません。
羽化した時、蝶の姿でつかまる場所の無い所で
羽化した子は悲惨な末路となります。
羽を伸ばしきる前にツルリと滑って下に落ちてしまうと
もうその子は飛べないんです。
そのままで生きてもらう事も叶わない。
だんだんと弱って死んでしまうんです。

私はガラス面に決めようとしている子は早期なら見つけ次第、食草の葉を幼虫の身体の下に潜り込ませて葉に移動してもらい、もう一度糸を吐いてもらうべく設置した枝に移動させておりましたが…

しかし
既にガラス面で、おおむねサナギの糸かけ作業も完了している幼虫を発見してしまった時は。
仕方がないので幼虫が作業を完了して眠りにつくまで待ちます。
いえ、完全にさなぎの姿になるまで待っても、全く支障ありませんのでそれまで待ってもいいです。

始めることは…

↓ ↓ ↓

通常、羽化して蝶の姿に変化した幼虫は( まだ羽はくしゃくしゃに折りたたまれています )さなぎから出て行く時、上部へゆっくりと枝につかまりながら進んでいきます。なので…
・ そっと虫かごの蓋をあけて↓
・ 上部から、柔らかめのネットかガーゼ布をさなぎの少し上まで垂らし↓
・ 垂らしたネットを挟むように虫かごの蓋をして完了。

これでさなぎから出る時の
簡易足場ができました。

↓以下は2002年に私にメールで相談してくださった方の素晴らしい例です↓
野菜のオクラ、売られていますよね、
そのオクラの入っているネットを張って
足場をこさえていらっしゃいました。
これはすばらしい名案であります。
柔らかく丈夫なネットですので何かと安心!
迷わずスーパーへダッシュです。

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